人生の孤独と「神聖にして侵すべからず」
※この文章はPULLTOPの18禁ADVである「神聖にして侵すべからず」について書いています。致命的にネタバレを含むので注意して下さい。
「神聖にして侵すべからず」は去年プレイしたエロゲの中では最も印象に残ったゲームだった。年末のコミケの準備に追われる中を、それでも合間を縫ってプレイした去年最後のゲーム。そのことを差し引いたとしても、一番印象に残ったゲームだったのだ。そして、強烈な印象を残したのとは裏腹に、自分にとってこれがどんなゲームなのか落とし込むことの出来ない、どう語っていいのか分からない、そんなゲームでもあった。
だから永倉氏とうぃんぐ氏が冬コミケの新刊「ぼくらのあいした江古田」の中で「神聖にして侵すべからず」について書くと知って、とても楽しみにしていた。
この文章はその記事を読んで触発されて書くもので、自分のこの作品の印象をまとめたものであると同時に、ある意味で二人が書かれたなかで提示された問題に対する自分なりの答えでもある。
ツッコミの価値と「さくら荘のペットな彼女」
ツッコミ役が不在のコメディは読んでいて困ることが多い。
登場人物がボケてボケてボケて、そのまま放り出されてしまうと、締まらない。
何処かでツッコミを挟んでくれないと、笑いどころがわからない。
自分でツッコンで楽しめるのならいいけれど、自分でツッコムのは意外と疲れる。
だから登場人物の誰かがツッコミ役となって、読み手のツッコミたい気持ちに応えて欲しいのだ。
ツッコミ役はたいていの場合、主人公になる。
ツッコミ役に読者は感情移入しやすいから、主人公がツッコミ役になるのが適しているんだろう。
そして、ツッコミ能力は重要な個性でありながら、読者の側に立つことで”普通”を逸脱しない。
身近さが求められる現代学園ものの主人公にはまさにピッタリなんだろう。
「さくら荘のペットな彼女」では、主人公の空太が典型的なツッコミ役となっている。
誰もが敬遠する、常識破りの連中の集うさくら荘に住むことになった”平凡”な主人公。
彼はどんなに振り回されても、他の住人の奇矯な言動にツッコムことをやめない。
周囲から浮かばずにはいられない人間達を、地に繋ぎ止めようとするかのように。
その努力を嘲笑うかのように彼が振り回され続けるのが、コメディとしてのこの作品のお約束だ。
でも、その努力は決して無駄ではない。
物語では多かれ少なかれ”特別”が描かれる。
ツッコミ役は、何が特別で、何が特別でないかを示してくれる。
普通と、特別の間を隔てる目隠しを取り去って、その間にある溝を露わにしてくれる。
相手せず、無視すればすむところを、あえてツッコムのはそれに光を当てることなのだ。
学園ものの登場人物として落第の、周囲を逸脱する才能を持った面々を舞台に引き込む才能。
そんな個性が値千金の価値を持つユートピアとして、さくら荘という舞台はある。
そこでの恋は、普通と特別を隔てる溝を挟んで繰り広げられる。
一つ屋根の下なのに、相手が見えない、手を伸ばしても届かない。
それが恋愛ものとしてのこの作品のお約束だ。
ヒロインのましろは、世界も認める絵の才能の持ち主だ。
代わりに、自分の服を選ぶこともできない生活破綻者でもある。
絵を描くこと以外の全てを人に委ねることに何のためらいもない。
まるで絵以外の全てに価値を感じていないかのように。
そんな彼女の世話を押しつけられた空太は、せめて常識という首輪で彼女を繋ごうとする。
けれど、そのためには当然相手に近づかなければならないわけで、簡単には届かない。
普通はそんなことを試すまでもなく、人は近づこうとしない。飛ばないし、目指さない。
それでもまめに世話を焼き、あがいてツッコミ続ける空太を、ましろが認めるところから、恋は始まる。
「さくら荘のペットな彼女」では、空太はツッコミ役だからこその主人公になっている。
空太は小気味よくツッコミを入れるけれど、それは決して安全ではない。
物語の中で実際に力を持つからこそ、一度地雷を踏めば彼自身に返っていく。
ツッコミを受けるましろは変わっていくけれど、空太の思惑を軽々と超えていく。
そんなままならなさが、この上なく楽しい。そんなラノベです。
少女展爛会プレイレポート「塀の上からおちるの、なーんだ?」 前編
先日公開したシナリオ「少女展爛会シナリオ「塀の上からおちるの、なーんだ?」 - Vacant Lot」のプレイレポートです。
このプレイ時点ではシナリオは走り書き程度で、このプレイの後で人に見せられるように上の記事を書き上げてます。
記憶がザルなのでかなり忘れてしまっていますが、雰囲気だけでも感じてもらえれば。
ショウ・アップをどう書いていいのか分からなくなって、展開部までで止まってます。そのうち書きます。
レギュレーションは以下の感じ。
- 特殊なアイテム(裏アイテム/アイテムをアレンジする/ギフト)あり
- サーブ有り、ただし1人1シーン一回まで
- オンステージ無し
- シェア無し(というか決めてもいなかった)
- PC同士は初めから知り合いで、相互に関係を持っている
PC紹介
システムの説明からキャラメイク終了まで何だかんだで3時間余り。実プレイ時間と同じくらいに時間かかりました。キャラクタがどんな関係を欲しているのか、人間関係の趣味の部分を決めないと動かしにくいと思うんだけれども、そこはデータ的には余りフォローがない印象。
ローザ(コート/なよ竹/ロマンティック)
貴族を自称する少女。ブロンドストレートの長い髪が魅力的で、身分を示す徴として佩刀している。12才くらい。
見境のない博愛主義に満ちた強かで邪な策士だが、意外と詰めが甘かったり。
ペリーヌの自由さに憧れている。
お茶と珍しいものが好き。
ミーシャ(コモン/アリス/ハートフル)
特徴がないのが特徴? の平均的な身長にソバカス顔の町娘風。13才くらい。
猫が好きでネズミが嫌い。住み処には「一日一善」と書かれた掛け軸をかけている。
ほんわかのんびりしているようで、意外とめざとい一面がある。
ローザの小間使いとして、彼女の世話を焼いている。
ペリーヌ(ゲイム/グレーテル/ルナティック)
一匹狼を気取る長身の少女。3人の中で最も年長の17才くらい。尖った耳が特徴的。
新しい物好きで飽きっぽい。ついでにお節介焼きがきらいっぽい。
友人は少ないが、ミーシャには心を許していろいろと相談を持ちかけたりしている。
提示部
秋 昼下がり 庭園
3人が秋の木漏れ日差す昼下がりの小径を散歩しているところから開始。
出来事表の結果……
- ミーシャ
- 快い眠気に襲われています。
- ペリーヌ
- ぱたりと物音がやみ、しんと静まりかえります。(ルナティック+1)
- ローザ
- 植え込みがよく育っているのですが、茂りすぎてなんだか怖いようです。(ルナティック+1)
ミーシャは「ルナティック」な空気を余所に夢うつつに歩いていて、ペリーヌはそんなミーシャを気にかけつつも秋の静寂を満喫。そんな中、ローザは小径の脇の茂り放題の植え込みに「あら珍しい」と興味津々に近づいていく。
ちょうどそのとき、茂みの影から人影が飛び出してくる。後ろを気にしながら駆けてきて、そのままの勢いで植え込みの近くにいたローザに衝突! しかしローザは倒れることなく彼女を支えることに成功する。ちょうどローザに縋り付くようにして立つのは、白黒チェッカー模様を基調にしたロリータパンクに身を包む、金瞳が印象的な小柄な少女。3人ともその少女に見覚えはない。
といったところでショウアップ開始。
PC達は1ラウンドのやりとりの結果、彼女の名前がパムであることと誰かから逃げていることを聞き出した。
- GM/パム:「あなたたちの相手なんてしてる場合じゃなかったわ」
そのまま駆け去って行くパム。さすがに3対1は長々とやりたくない。
展開部
秋 昼下がり 庭園
パムが見えなくなったところから。とりあえず出来事表。
- ローザ:出来事表で雨が降ってきた、帰ります。
- GM:えーっと、今回ずっと屋外の予定なのでそれは無かったことに。
といったことがあったりもしつつ、視線を感じるPC達。パムが駆け去ったのとは反対側から一人の少女が歩いてくる。
- ミーシャ/ローザ:ミカさんだ。
- ペリーヌ:誰?
新入りの少女を拾ってはお節介を焼くことで有名な「ミカお姉ちゃん」の登場。ミーシャは顔見知り、ローザも名前は知っている。ペリーヌは人付き合いに疎いので知らなかった。
- GM/ミカ:あら、あなたたち、女の子を一人見かけなかったかしら?
- ミーシャ:見ました。誰かから逃げてるみたいでしたけど、どうかしたんですか?
- GM/ミカ:実は、あの子私から逃げてるのよね〜、困ったわぁ。
- ペリーヌ:いったい何をしたんだ。
- GM/ミカ:ちょっと、ね〜
- ペリーヌ:(こいつ……絶対にろくでもないことをしたに違いない)
- GM/ミカ:そうだわ、良かったら一緒に来てくれない? 私一人で連れ戻せる気がしないし、あの子に紹介してあげたいし。
- 3人:(何を企んでいるんだろう……?)
- ミーシャ:いいですよ。
- ローザ:喜んで。
- ペリーヌ:私は遠慮させてもらうわ。
傲慢に他人を巻き込むミカの態度が孤高を好むペリーヌには耐えがたかった様子。興味ないふりをしつつ独りでパムを探しに別行動することに。
- ローザ:ところで、パムさんがどこにいるかは分かっているのですか?
- ミーシャ:足跡をたどってみましょう!
結果、蹴散らされた落ち葉を辿っていけることに気づくミーシャ。ついでに木の根が張りだした辺りでは派手に転んだ様子まである。
- GM/ミカ:あら、頼りになるわねぇ。案内をお願いしちゃおうかしら。(ミーシャの両肩を後ろから持って前に押し出す)
- ミーシャ:あ、足跡辿るのに判定成功したのにハートフル上げるの忘れてた。
- GM:確かに、上げていいよ。
展開部へ続く
少女展爛会シナリオ「塀の上からおちるの、なーんだ?」
Humpty Dumpty sat on a wall.
Humpty Dumpty had a great fall.
All the king's horses and all the king's men
Couldn't put Humpty together again.
概要
これは少女趣味と人間関係のもつれに耽溺するTRPG、少女展爛会用の初期作成PC2〜3人向けシナリオです。
少女展爛会について詳しく知りたい方は少女展爛会(C)SimpleCrafts(こぎつね)をどうぞ。
このシナリオは「ハンプティ・ダンプティ」をモチーフとしたシナリオです。一人の少女が塀の上に登ります。彼女は、今ある関係を変えるために塀の上にたどり着きます。彼女はそこから飛び降りるのか、それとも落ちるのか。いずれにせよ彼女はそれまでの彼女とは何かが決定的に変わることでしょう。塀から落ちれば割れた殻は元に戻ることは無いのですから。そしてそれが、彼女の願いでもあるのです。
このシナリオには二人のNPCが登場します。”ハンプティ・ダンプティ”とその持ち主である”女王”です。”ハンプティ・ダンプティ”は”女王”の元を逃げ出します。そして塀の上に辿り着くのです。
塀の上の”ハンプティ・ダンプティ”を前に、PC達は何を感じ、どうしようとするのでしょうか?
このシナリオはルールブックにて推奨される、ソナタ形式のシナリオです。以下、二人のNPC、提示部、展開部、再現部、コーダとシナリオの内容を記述します。
”ハンプティ・ダンプティ” パム
このシナリオにおけるいわゆるヒロイン。
白黒のチェッカー模様のロリータパンクに身を包んだ12才くらいの少女。ふわふわとした色素の薄い栗毛のショートカットに鋭い金の瞳。よく見れば、頭がきれいな卵形をしていることに気づくかもしれません。
彼女は孤高を是とする誇り高い少女です。そして異常な状況をあっさりと受け容れる、独特の感性の持ち主です。もしお化け屋敷に一人取り残されても、彼女は怖いとは思うかもしれませんが取り乱すことは無いでしょう。見た目は人形のように可愛らしいですが、人形に収まるような性格ではありません。
彼女は屋敷に現れてまだ一月足らずの新入りです。お節介なミカに拾われて、彼女の世話になっていました。しかし、べったりと保護者面をしてあれこれと世話を焼いてくるミカに我慢がならなくなり、彼女の元を逃げ出します。
データ
- クラス/タイプ/オーデ
- ゲイム/人魚姫/ルナティック
- 世界の部品
- 貴族趣味/お日様に近い場所/飾らない成果
支配 | 従順 | 打算 | 純真 | 表現 | 好意 | 悪意 | 先制 | 懐 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
4 | 1 | 2 | 5 | 2 | 4 | 2 | 5 | 2 |
- 特技
- 孤高/一途/残酷/夢のスープ
- アイテム
- ロリータパンク[支純]/眼差し(G)[純支]/(キャップ[打純])*1
関係
彼女は対等な関係を求めます。
- ミカ/庇護/下受
”女王” ミカ(ドミニク)
ウェーブのかかった豊かな髪に、見事なスタイルをした少女、と呼ぶには少々育ちすぎた感のある17才くらいの少女。飾り気のない質素なドレスをまとっていますが、彼女の魅力的な身体に無用な飾りは必要ないと主張するかのようです。首元にファーを巻いています。いつも人当たりのよいニコニコとした笑顔を崩しません。そんな押しの強い笑顔で気がつくと場を取り仕切っているのが彼女の常です。
彼女はそこそこ屋敷に長くいる方で、お節介焼きとして有名です。よく屋敷に現れた新入りを見つけては、自分の住み処に連れ込んで世話を焼き、屋敷の中での生活に必要なあれこれを教えているようです。ですが、それは善意と呼ぶには少々不純かもしれません。彼女にとって拾ってきた少女達はペットなのです。彼女は自分の楽しみのために新入り少女の世話を焼き、そしてその傲慢さを彼女自身自覚しています。
ただ、勘違いしないで欲しいのは嫌がる相手を無理矢理鎖に繋ぐことは彼女の趣味ではないということ。彼女が逃げ出した”ハンプティ・ダンプティ”を追うのは、孤高な彼女が屋敷で独り暮らすにはまだ早いと考えるからです。PC達と会い、彼女は”ハンプティ・ダンプティ”にPC達と関係を結ばせ、自分以外に頼れる相手を手に入れさせようと画策します。
- 「ミカお姉ちゃん、って呼んでね」
- 「(抱きしめて相手を胸に埋めつつ)あら、かわいいー」
データ
- クラス/タイプ/オーデ
- エンプレス/グレーテル/ロマンティック
- 世界の部品
- 素敵なお姉様の部屋/導きの手柄/達成の愉悦
支配 | 従順 | 打算 | 純真 | 表現 | 好意 | 悪意 | 先制 | 懐 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
6 | 1 | 3 | 1 | 5 | 2 | 4 | 3 | 3 |
- 特技
- マジェスティ/勇気を出して/傾天の微笑/不可侵
- アイテム
- ファー[支支]/髪(G)[打支]/胸元(G)[表支]
関係
彼女は相手を「庇護」する関係を求めます。
- パム/庇護/上攻
- 他、攻の関係2つ
提示部
秋*2 昼下がり 庭園
- PC達は昼下がりの屋敷で暇を持て余し、何処かに行こうと連れだって歩いています。
- ”ハンプティ・ダンプティ”が現れ、前方不注意でPCのうちの一人と衝突します。
- ”ハンプティ・ダンプティ”にPC達は見覚えがありません。
- ”ハンプティ・ダンプティ”は何かから逃げているようです。
- 1ラウンドのショウアップを行います。
- 1ラウンドが終わると、”ハンプティ・ダンプティ”は駆け去ります。
ヒロインである”ハンプティ・ダンプティ”との出会いのシーン。彼女の「ゲイム」らしさをアピールしたいところです。
まずはPC達のならしと関係の確認のため、PC同士で軽く絡みをしてもらいます。とっかかりが難しいかもしれませんが、出来事表の結果がきっかけになってくれるはずです。
ハンプティ・ダンプティがぶつかるPCは適当に選びましょう。例えば「気配に気づくかどうか」判定を行わせ、一番達成値が低いPCとか。
衝突したら、そこから問答無用でショウアップに入りましょう。言いたいことはショウアップの中で、です。
展開部
秋 昼下がり 庭園
- ”ハンプティ・ダンプティ”は駆け去り、見えなくなりました。
- ”女王”が現れ、PC達に声をかけ、少女が一人は知っていかなかったか訪ねます。
- ”女王”はPC達に、何をしていたのかとか、いろいろと馴れ馴れしく話しかけてきます。
- PC達が聞けば、あるいは聞くまでもなく”女王”は”ハンプティ・ダンプティ”について名前とか、可愛いらしさとか、逃げられてることとかを話してくれます。
- ”女王”はPC達を一緒に来ないかと誘ってきます。一人だと連れ戻せる気がしないとか、”ハンプティ・ダンプティ”に紹介するから、とか理由をつけて。
- 話がまとまって”ハンプティ・ダンプティ”を探すことに決まって、伝えることを伝えてお喋りが弾んできたところでシーンを終了しましょう。
”女王”との出会いのシーンです。”女王”の支配的な態度と二人の関係を印象づけましょう。
”女王”はPC達に積極的にアプローチしてきます。それこそ、ショウアップの中だったら落としに来ているとしか思えない勢いで。そしてPC達の中に入り込んで主導権を取ろうとするでしょう。人当たりのよい態度の中に傲慢さや不実さや不穏さを織り交ぜて、”ハンプティ・ダンプティ”を彼女に任せるのは不安だとPC達に感じさせられれば完璧です。
”女王”は”ハンプティ・ダンプティ”が逃げた理由については誤魔化します。”ハンプティ・ダンプティ”の行き先は分かりません。ミカは訊かれたら「高いところが好きだからそういう所を探してみましょう」とか適当に答えます。
再現部(ショウアップ)
秋 黄昏 廃園 ベランダ・テラス
- 歩いているうちに、PC達は見覚えのない廃園に出ます。
- 気がつくと、目の前に高い塀が広がっていることに気づきます。太陽は塀の向こうに隠れようとし、周囲は異様に暗く感じられます。
- 塀に近づくうちに、塀の上に誰かが腰掛けてPC達を見下ろしていることに気づきます。逆光の暗がりでなお金に輝く瞳。”ハンプティ・ダンプティ”。
- 塀は高く、高く、手を伸ばしても、飛んでも、跳ねても、肩車しても、届きそうにありません。塀の上に登る手がかり足がかりも見つかりません。「カタストロフ」のオーデを+1します。
- ショウアップを開始します。
基本的に”ハンプティ・ダンプティ”が塀から飛び降りたらショウアップは終了です。そのラウンドの最後までは続けてもいいでしょう。
”ハンプティ・ダンプティ”が飛び降りるのは以下の時です。
- ”ハンプティ・ダンプティ”が誰かを陥落させた
- ”ハンプティ・ダンプティ”が陥落した
- ”ハンプティ・ダンプティ”がコンクルージョンを起こした
陥落させたか、陥落したときは”ハンプティ・ダンプティ”はその相手の腕の中に飛び降ります。相手が彼女を受け止めきれるかどうかは分かりませんが、怪我をするようなことはありません。
コンクルージョン
- ”ハンプティ・ダンプティ”
- 彼女は”女王”との関係を対等なものに変えるために塀の上から飛び降ります。「カタストロフ」のオーデを+1します。コンクルージョンを起こしたオーデが下がった後で「カタストロフ」が「リーディング」であるならば、彼女は頭から落ちて死亡します。そうでなければ彼女は後遺症の残る怪我を負い、意識を失います。ショウアップは即座に終了します。バッドエンドですが、彼女の先制の高さ故に起こることはまず無いでしょう。
- ”女王”
- ”ハンプティ・ダンプティ”に即座に一回の手番を与えてアプローチを行わせます。その必要が無ければPCの1人と関係を結びます。
行動指針
- ”ハンプティ・ダンプティ”
- 彼女は迷っています。飛び降りていいのかどうか。しかし、彼女は確信してもいます。一度塀の上に上がった以上、飛び降りる以外にないのだと。ハンプティ・ダンプティは塀から落ちて誰にも元に戻せない変化を遂げるのですから。彼女は積極的にアプローチをすることはありません。基本的にアプローチをしてきたPCにアプローチを返します。”女王”の「勇気を出して」を受けたときは「孤高」からの誘い受けを試みるのもよいでしょう。相手にされないときは、サポートを宣言してでも誰かの気を引くべきでしょう。未解放のテンションが10点貯まった状態になったら、彼女は相手を選びます。「一途」+「夢のスープ」+「残酷」で15点を超えるインパクトでもって確実に相手を仕留めましょう。ダイスの神様も彼女の本気に答えてくれるはずです。
- ”女王”
- 彼女は”ハンプティ・ダンプティ”をサポートします。まずテンションの低いPCにアプローチをかけて”ハンプティ・ダンプティ”の選択肢を広げます。ついでにスウェイでコンクルージョンを狙っていきましょう。「勇気を出して」は”ハンプティ・ダンプティ”に使ってあげたいところですが、行動順をずらすことでコンクルージョンの争いに利用できることも忘れてはいけません。”ハンプティ・ダンプティ”が陥落しそうなときは、よい関係が結ばれそうなら通しますがそうでなければサポートに入ります。”ハンプティ・ダンプティ”のテンションが足りないときは”ハンプティ・ダンプティ”にアプローチをかけてテンションを補充します。「不可侵」を活かして”ハンプティ・ダンプティ”より先に陥落するような無様は晒さないよう気をつけましょう。いつも笑顔を絶やさぬ彼女ですが、このときばかりはなりふり構わぬ一面を見せてあげるといいでしょう。
コーダ
秋 夜 庭園
- 日が沈んで、夜の帳がおります。あれほど高く感じられた塀は気がつくと背伸びをすれば上に手が届く高さになっています。カタストロフを(あれば)−1します。*3
- ”ハンプティ・ダンプティ”は新たな関係を結ぶことが出来たでしょうか? 新たな関係の形を確認しましょう。もし他にも関係を結んだペアがあればその関係も。
- PC達に考えがなければ、”女王”は気を利かせて”ハンプティ・ダンプティ”とその相手以外だけを誘ってその場を去ろうとします。
- ハッピーエンドは幸せに、バッドエンドは悲しく、幕を閉じましょう。
”ハンプティ・ダンプティ”はどうして塀の上にいたのか?
なぜ”ハンプティ・ダンプティ”は塀の上にいるのでしょうか? それを知るのは本人だけです。
これは一つの想像ですが、例えばこんな発言をする存在がいたのかもしれません。
- 「やあ、どうしたんだい? そんなに急いで」
- 「なるほどね、君は逃げているわけだ」
- 「なに、違うの?」
- 「君がもしハンプティ・ダンプティになるというのなら、ここに登ってこないかい?」
- 「塀から落ちたハンプティは元には戻らない、そう決まっているんだ。だから、ここに来れば君は必ず変わることが出来る」
ショウアップやコーダの中で、話題に上ることがあるかもしれません。屋敷の噂話と絡めたりするのも楽しいでしょう。
ポイント
PCが受け身のヒロインである”ハンプティ・ダンプティ”に興味を持つかどうか。これが一番大切なことです。”女王”はPCに向かって押すことが出来るのでどうとでもなります。PC達には次の2点を感じてもらいましょう。
- ”ハンプティ・ダンプティ”は可愛い。
- ”女王”に”ハンプティ・ダンプティ”を任せるのは不安だ。
これで、PC達は二人に関わってくれるはずです。
”ハンプティ・ダンプティ”の具体的な演出についてほとんど書いていませんがわざとです。ヒロインは参加者に合わせて変わるべきだと思うからです。
”女王”はお喋りですが、自分のことは喋りたがりません。”ハンプティ・ダンプティ”の魅力を語るか、PCにちょっかいをかけるか、そのどちらかです。
”女王”はGMの味方です。支配と打算に裏打ちされた豊かな表現でもってお節介焼く彼女は、GMの都合で動かしても自然です。困ったら”女王”に頼りましょう。何があってもセッションの手綱を取れるように作ったNPCですから。
技術とかセンスなんてハッタリに過ぎません。
ふと、AdobePのドリーム(コロコロ)クラブ : 褒め方貶し方を再読した。
当時もちょっと乗り遅れくらいのタイミングで読んで、何事か書きたいと思いつつ時間が流れてしまった。
動画造る気力の涸れた微妙な時期だし、この際にちょっと吐き出しておこうと思う。
AdobePは、自分の主張を広めるために、煽りめいた文章が必要だと思ってああいう書き方をしたんだろう。
でも、その主張の内容はそんな煽りが必要ないようになって欲しいってことなのかな、と思う。
反論を引き出すことのなんと容易いことか。それに比べて――
飛びすぎ?
動画への感想文を、恋文にたとえる人もいるけれど、それを言うなら動画だって同じ。
見て欲しい人に、伝えたいことが伝わって欲しいと、ニコニコに上げている。
技術とかセンスなんてハッタリに過ぎません。
再生数を稼げば、それだけ伝わる人が増えるわけで、もちろん大切なのだけれど。
だからそこをほめられても、実はそんなに嬉しくなかったり。
いや、もちろん、それでも、嬉しくないワケじゃないけれど。
言葉をかけてもらえるだけありがたいと思う気持ちもなくはない。
なくはないけれど、どんな動画にでも言えるような、無難な、一軸の、縮退したコメントはちょっと空しい。
なんて、鼻で笑われるようなことを思ってしまう。
自分は、「伝えたいこと」が伝わるなんてあんまり期待できてない。
それでも何かを「伝えたいこと」にしないとそもそも何も伝わらないと思っている。
自分の「伝えたいこと」がどこまで伝わったのか、どう形を変えたのか、自分はそれが知りたくて、
だから自分の動画の感想のエゴサーチが止まらない。
当たり前のことだけれど、感想に正解なんてない。ただ伝わり方があるだけで。
だから、技術とかセンスなんて言葉で済まさないで欲しい。
感想を下さい。