見たいものは自分で作る前に探してみよう

http://d.hatena.ne.jp/MuhKurutsu/20090209/1234182996#c
ここを読んで、ニコマスがつまらないという話なんかについてちょっと思うところを。
見る側にライトな層(見る動画を選択するのに時間をかけない層)が増えることで、再生数の集中は起こりやすくなっているかもとは感じています。
ニコニコ動画のアカウント数は増え続けているわけですから。そうして新しく入ってくる人は、古参の人たちほどのインセンティブをニコニコに対して持ってはいないでしょう。とりあえず再生の多い動画を追いかける以上の時間がない人は多いんじゃないでしょうか。
出てくる動画は増えているのに、見る側の動画を探す時間は減ったら、仮面Pが「埋もれることへの反抗 いや違う!埋もれることが問題なんじゃないんだ! - Try to Star -星に挑め!」で書かれているような、作った動画が対象となる人に見てもらえないってことはどうしても増えると思います。作り手としては(自分の場合は)、単に再生数が欲しいんじゃなくて、自分の動画を気に入ってくれる人に見てもらいたいわけです。そして、見る側も自分が気に入ることの出来る動画を見たいわけですよね。ただ話題についていこうと思ってニコマスに来ることはあまりなさそうです。
再生数の多い動画を追う以外の選択肢がどれだけあるのかがポイントになるのかなと思います。アイドルマスタータグをひたすら追うという苦行を出来る人は少ないわけで、それに代わる、自分の趣味に合うものを探すための手段があるといい。私は今は紹介blog系から辿るのとP名などのタグ繋がりで辿るくらいです。ニコマス20選は素晴らしかったです。ですが、どうも紹介blogって報われないものらしい。本当のところは分かりませんが、いくら紹介してもエゴサーチする作り手しか見に来ないのだとしたら確かに報われないと思います。
あとちょっと話はそれるというか、上の記事に関わる話になりますが、PV系と仮想戦記その他の対立構造を煽るような言葉は見過ごすことは出来ません。実際作っている人はそんな煽りを真に受けるとは思いませんが、周囲の人間に対立があると勘違いされることはニコニコできない不幸なことだと思います。
元々のはじcさんのエントリは「動画に突っ込みどころを作ってコメもらえよ、そのほうがきっとニコニコできる」くらいに読みました。でも何が突っ込みどころなのか作り手に教えることができるのは、誰よりも見てる側だと思います。作り手が自分一人で勝手に分かるようにはなりません。見てる側が突っ込んでくれるからこそ、作る側は次も同じの突っ込みどころを用意しようとか、今度はパターンを変えてみようとか、気づいて考えられるようになるんです。自分のデビュー作は三桁再生でしたけれど、それでもいろんな人がコメントやらアドバイスやらをくれました。そして自分は修正版を作り、それをさらに見て何か言葉をくれる人がいて、そして今までやってこれました。私は自分自身と、そういう言葉をくれた人、くれるであろうまだ見ぬ人たちのために動画を作っています。ちょこぱいだって半分はコメントでリクエストされたからやったようなものです。そして今もリクエストされつつとうとう一年以上抱えてしまった宿題もあります。自分みたいなド素人がAEのためにぽんとお金を払うような所まで来ることが出来たのは自分の動画を見て、言葉をかけてくれた人々に磨いてもらってきたからだということを私は忘れません。
動画を見て、でも作っていないような人たちは見る専と自称しますが、その人達だって動画制作に関われます。動画制作者を育てるっていう、ものすごく重要で本質的な役割があるんですから。見たいものがなければ自分で作れというのはよく言われますが、今はそれ以前に見たいものを見つけられていないことも多そうな状況です。ですから、自分の気に入るものを探すための少しの努力とコメント残すわずかな勇気があれば十分です。それだけでいい動画は確実に増えると思います。